151文字の文学

日々の事々を151文字で書くブログです。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

スラッシュ

食品表示法では、食品添加物を使う場合原材料欄に「/(スラッシュ)」などの記号で区切るルールがあるらしい。 頂き物のお菓子の袋にそんなことが書いてあって、ぼくはそんなスラッシュの役割を初めて知った。 そのお菓子では「/0(スラッシュゼロ)」と…

図書館を出ると、左手に月が浮かんでいた。おもわず足を止めてしばらく見上げていた。なんというか、本と月とが結びついて風流に浸りたくなったのだ。 暗くなるのもすっかり早くなり、寒さも日に日に増してきた。 暗い時間帯が長くなればそれだけ月は輝いて…

売切御免

10月。 自販機にもぽつぽつあたたかい飲み物が並ぶようになった。 せっかくなので、仕事帰りにバンホーテンココアでも飲もう、とおもってお金を入れた。ボタンが光った。 バンホーテンのランプには「売切」と出ていた。 昼も夜もめっきり寒くなった。東北…

星と虫

虫の音に誘われるように、段々と深みを増してゆく夜空に星がひとつ、ふたつと現れ始める。 夜空を背景に聞こえてくる虫の声を耳にしていると、自然と他の物音を忘れたまま星座の見えるその夜空を見上げてしまうものだ。そのひとときがなんとも心地良い。沈黙…

縁側

土曜日。 午後の日差しがさす縁側で親父がいびきをかいている。 洗濯物は隙間風に揺れている。 ぼくも座布団を敷いて、横になりながら日向ぼっこをする。 しばらくはいびきと風の音ばかりが聞こえる、田舎の昼下がり。 ⁂ それから3時の時報がなって、起き上…

一杯の美学

NHKの番組「美の壺」で珈琲が取り上げられていた。珈琲も美術ということらしい。 かれらは一杯の中に美を表現してゆく。 豆の選別や焙煎、淹れ方に至るまで、研究に研究を重ね、磨き、極めてはまた新たに模索する。 どんなものも美術になり得、そうしてそ…

星の配置

昨日の夜から今朝にかけては、月に寄り添うようにひとつの星が瞬いている、そういった天体の配置だった。 静かな月明かりの中で、その月と並行しながら星が回っているという光景が、どこか印象的で、眺めているだけで非常に快いというのか、すなおに美しかっ…