151文字の文学

日々の事々を151文字で書くブログです。

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ラプュタ

「ラピュタ」と書くべきところを「ラプュタ」と書いてしまったことがある。 書いてしばらくは違和感があるのに、なかなか気がつかない。じっとことばを見てようやく気がつく。これじゃあ空に浮かべん。 ぼくはたまにこんな書き間違いを起こす。特に「ゃ、ゅ…

失敗作

全ての文学は失敗作であって、あとはただ、本になっているかいないか、売れているかいないか、そういった違いがあるだけだ。 結果に囚われたり、他人を妬んだり、書くのが面倒になると、ぼくはそんな風に自分に言い聞かせることがある。文学は書くか書かない…

初雪の日

天気予報通り、今年最初の雪が降った。 まだ日の昇らない薄暗い中、息を潜めるように屋根や車の上にうっすらと積もっている。地面を覆うほどではなく、そちらの方は丸裸。路面凍結の心配はないようだ。 外に出ると雪の当たる感触がある。みぞれかもしれない…

フチ

パソコン画面の周りにメモ用紙を貼ってゆく。或いは、お気にりの写真を付け加えてゆく。 気づけば、画面のフチがやたらデコレーションされたみたいになっている。パソコンのマスカラというのか、ライオンの立て髪とでも言うのか。ともかく、気が散ってしまう…

きのうから急に寒くなった。まるで季節が慌てて立冬を思い出したかのように。 きょうはついに、落ち葉や車に霜が降りていた。朝、まだ銀灰色の空の下、ざらつくように鈍く光っていた。 我が家では親父が薪ストーブを焚き始めた。白い煙が煙突からもくもくと…

本来の生と死

人間が捉えている、或いは捉えられている生と死というのは、本来の生と死の在り方のほんの一部分に過ぎないのかもしれない。 ただじっと佇んでいる木々を見ていると、たまにそんなことが頭をよぎってしまう。 虹の両端には人の目が捉えられない波長があるの…

ことばと珈琲

ことばと珈琲とには、どこか不思議なつながりがある気がする。 深みであり、時間であり、圧縮であり、雰囲気もどことなく似ている。喫茶店で、読書をしながら珈琲を飲む、そんなゆったりとした時間を過ごしているひとをよく見かけるからだろうか。 珈琲はブ…

枯れ葉

山々の紅葉は進み、落ち葉も目に見えて多くなってきた。 朝には霧が出ることもあり、霧に霞んだ紅葉や木々の葉からこぼれる光は見ていて楽しい。 こんな季節には、枯れ葉も道を彩る風物になるから不思議なものだ。車が通る度にカラカラと舞って、秋らしさを…